バルコニーで胸の苦しさが治まった後、自室に戻る事にした。
 その時点で残っているのは私一人、そして私を待つ侍女とスーツ姿の護衛数人。

 明日からどんな人生が待っているのかしら。
 またあんな風に目の前で仲睦まじい二人の姿を眺めていないといけないなんて。
 例え、何の感情も無いとはいえ、記憶の中にある以上は避けて通れない感情だった。

 今日はすっかり疲れてしまったわ。