「私はその時、騎士団にて剣の稽古に励んでおりましたが、団長から稽古を止めてすぐ城に行けと言われました。 王が面会したがっている、と。 そこでノースネクローブの王女様との縁談の話を窺ったのです。 いくら私が公爵家の人間とはいえ、王との面会はそう多くありません。 ですので突然の縁談に驚きを隠せませんでした」
「そうであろうな。 あの王は配下の者に対してはどんな立場でもよく見ているからな」
「私が驚いたのは王からの縁談話だったのでも、相手がノースネクローブの王女様だったからでもありません。 どうして私でなければならなかったのか、と思ったからです」
「白羽の矢が立ったのが解せない、と?」
「私が見るに王女様はとても美しく、気品も優雅さもございます。 このような方の夫になる者はなんと幸運だろうかと目を奪われました」
「そなたは正直だ。 それでいて、王の私に心を隠して真意を見せない」
「そうであろうな。 あの王は配下の者に対してはどんな立場でもよく見ているからな」
「私が驚いたのは王からの縁談話だったのでも、相手がノースネクローブの王女様だったからでもありません。 どうして私でなければならなかったのか、と思ったからです」
「白羽の矢が立ったのが解せない、と?」
「私が見るに王女様はとても美しく、気品も優雅さもございます。 このような方の夫になる者はなんと幸運だろうかと目を奪われました」
「そなたは正直だ。 それでいて、王の私に心を隠して真意を見せない」