端無く私の知らない場面が流れ込んでくる。
喧騒は遥か遠く、その節私は何故か立っていて
周りには硝煙と焼け焦げて原型がわからなくなったもの。


対面には腹を抑え倒れている男。
服装は馴染みのないもの、洋装とか言うやつだろうか?
どんなものかは知っているがこうして相見えるのは初である




不意にこちらに視線が投げかかる。
私を視認したのか?
有り得ない、今の私は誰にも見えないはずなんだ。
だってそこに私は存在してない。


【存在してないことになっているから】



「……い…!」
世界が暗転し、場面はぐちゃぐちゃに。
その最中にも心に残っていたのはこちらを見通してた顔だけだった。



「大丈夫か?」
声をかけても反応がないことに心配したのか顔を覗き込もうとしている。




「取り敢えずのそこの阿呆二匹ちょっとこい」