私が初めて合コンに呼ばれて参加したのは看護学校1年生である18歳の夏であった。梅雨明けの蒸し暑さが到来した7月頃、同級生からのお誘いで参加することになった。その同級生は学生寮に入っていて、同じ部屋に住む2年生の先輩からの紹介で合コンの開催となったのだ。先輩は当時私たちの看護学校のすぐ隣にあるQ県立大学工学部に通っている大学生と付き合っており、私たち1年生のために彼氏に頼んで合コンをセッティングしてくれたのだ。私たちは未成年なので当然飲酒はできない。
それでも先方から大丈夫とのことで、私を含め同級生5名は喜んで参加をしたのだ。粗相のないように自分なりにお化粧をして、開催場所であるT駅前の居酒屋2階の座敷に向かった。
「俺たち、Q大工学部合コン研究会で~す!!」
(うわ~……ダッさー。)
私たちは思わず顔を少ししかめて引いてしまった。
Q大合コン研究会というサークルの会長である4年生の男が甲高い声を上げて紹介してきた。このQ大合コン研究会というものは、メンバー5人で大学3年生3人、4年生2人のかなり少人数のサークルであり、名前の通り至る所で合コンを開催しているとのことだが、見た感じ本当にそうなのかはかなり疑問だった。そもそもメンバー5人って少なすぎだし多分周囲からほとんど認知されていないサークルなんだろうなあということが見ていてすぐにわかった。彼らは20歳を超えていたので(リーダ―の4年生は28歳で、6年留年しており、この年も卒業できるか怪しいとのことだった。)ガンガンビールを飲んで勝手に盛り上がっていた。私たちは未成年なのでソフトドリンクのみしか味わえず、当然素面なので酔っ払い兄さんたちの盛り上がりにはついていけない。それに、ぶっちゃけて言うと5人ともあんまりあか抜けておらず、むしろパッとしない。合コン研究会と謳っているわりに話をするのが下手でいまいち盛り上がらない。酔っ払い度が増して騒がしさが一層強くなってくるとただうるさいだけでいい加減疲れてきた。
「何かつまんない。」
「ホントに合コンしまくっていたのかな?」
「ただウザいだけだよね。」
「カッコイイ人いないじゃん。」
男子たちだけで勝手に盛り上がって楽しんでいるのを横目に私たちは小声で文句を言い合った。
「じゃあ、これから『ドレミファ一気』しま~す!」
彼らはビールの入ったグラスを並べはじめ、野太い声でドレミの歌を歌い始めた。
「どお~はどお~なつう~のお~どお~、ソーレ!」
彼らは歌いながら並べたコップに入ったビールを一気に飲み干していき、大笑いしていた。
(何だかアホくさ。)
私たちはこのアホなノリに付き合えず、家に帰りたくなった。
「ねえ、二次会行こうよ!近くにカラオケボックスあったよね~。」
勘定を済ませて(もちろん合コン研究会のおごり)居酒屋の入り口を出たところで、先輩の彼氏が目の座った真っ赤な顔でニヤつきながら二次会のお誘いをしてきた。
「ねえねえ、みんなで行こうよ~。」
リーダーのおじさんも思いっきり目が座った真っ赤な顔をクシャクシャして言ってきた。まるで梅干しのようだった。
「いや、私たち帰ります~明日学校だし……。」
「あっそうなのぉ~。でもいいじゃん、行こうよぉ~。」
「いや~すみません……。」
酔っぱらった梅干しのような顔で強引に誘おうとしているが、そんなおっさん大学生達を後目に私たちはそそくさとT駅へ向かった。初めて合コンに参加させてもらったが、これが現実なのかとガッカリした思い出が残った。セッティングしてくれた先輩には申し訳ないが、本当につまらなかった。これが、看護学校時代唯一の合コン体験であった。
それでも先方から大丈夫とのことで、私を含め同級生5名は喜んで参加をしたのだ。粗相のないように自分なりにお化粧をして、開催場所であるT駅前の居酒屋2階の座敷に向かった。
「俺たち、Q大工学部合コン研究会で~す!!」
(うわ~……ダッさー。)
私たちは思わず顔を少ししかめて引いてしまった。
Q大合コン研究会というサークルの会長である4年生の男が甲高い声を上げて紹介してきた。このQ大合コン研究会というものは、メンバー5人で大学3年生3人、4年生2人のかなり少人数のサークルであり、名前の通り至る所で合コンを開催しているとのことだが、見た感じ本当にそうなのかはかなり疑問だった。そもそもメンバー5人って少なすぎだし多分周囲からほとんど認知されていないサークルなんだろうなあということが見ていてすぐにわかった。彼らは20歳を超えていたので(リーダ―の4年生は28歳で、6年留年しており、この年も卒業できるか怪しいとのことだった。)ガンガンビールを飲んで勝手に盛り上がっていた。私たちは未成年なのでソフトドリンクのみしか味わえず、当然素面なので酔っ払い兄さんたちの盛り上がりにはついていけない。それに、ぶっちゃけて言うと5人ともあんまりあか抜けておらず、むしろパッとしない。合コン研究会と謳っているわりに話をするのが下手でいまいち盛り上がらない。酔っ払い度が増して騒がしさが一層強くなってくるとただうるさいだけでいい加減疲れてきた。
「何かつまんない。」
「ホントに合コンしまくっていたのかな?」
「ただウザいだけだよね。」
「カッコイイ人いないじゃん。」
男子たちだけで勝手に盛り上がって楽しんでいるのを横目に私たちは小声で文句を言い合った。
「じゃあ、これから『ドレミファ一気』しま~す!」
彼らはビールの入ったグラスを並べはじめ、野太い声でドレミの歌を歌い始めた。
「どお~はどお~なつう~のお~どお~、ソーレ!」
彼らは歌いながら並べたコップに入ったビールを一気に飲み干していき、大笑いしていた。
(何だかアホくさ。)
私たちはこのアホなノリに付き合えず、家に帰りたくなった。
「ねえ、二次会行こうよ!近くにカラオケボックスあったよね~。」
勘定を済ませて(もちろん合コン研究会のおごり)居酒屋の入り口を出たところで、先輩の彼氏が目の座った真っ赤な顔でニヤつきながら二次会のお誘いをしてきた。
「ねえねえ、みんなで行こうよ~。」
リーダーのおじさんも思いっきり目が座った真っ赤な顔をクシャクシャして言ってきた。まるで梅干しのようだった。
「いや、私たち帰ります~明日学校だし……。」
「あっそうなのぉ~。でもいいじゃん、行こうよぉ~。」
「いや~すみません……。」
酔っぱらった梅干しのような顔で強引に誘おうとしているが、そんなおっさん大学生達を後目に私たちはそそくさとT駅へ向かった。初めて合コンに参加させてもらったが、これが現実なのかとガッカリした思い出が残った。セッティングしてくれた先輩には申し訳ないが、本当につまらなかった。これが、看護学校時代唯一の合コン体験であった。