最後に会ったのはいつだったか。確か僕が小学二年の頃だったから、今から七、八年前の頃だ。

 ひとことで言うと、僕は一つ年上の"サリーちゃん"が大の苦手だった。


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『うわぁ〜、恭ちゃん可愛いっ。すっごく似合ってるよ〜?』

『……そうかな』

 従姉弟であり、一つ年上のサリーちゃんはうっとりとした目で僕を眺めていた。

『恭ちゃんなら絶対似合うと思ったんだぁ』

 鈴の鳴るような声で言い、サリーちゃんは僕の頭を撫でた。ヘッドドレスと呼ばれるカチューシャごと僕を愛でるように撫でた。

 ロリータ服に身を包んだ僕の笑みはおそらく引きつっていただろう。

 サリーちゃんが用意した長髪のカツラを被り、女の子らしいワンピースに身を包む僕はどこからどう見ても女の子に相違なかった。

 僕は赤ちゃん時代から、すれ違う人に決まって「可愛い女の子ね」と間違えられて育ってきたらしい。母が男の子らしい色柄で服を着せても、「将来は美人になるわねー」と言われて、道行くおばさん達のハートを射止めていたそうだ。