『ありがとう、また2人で来て。本当にいいコンビだよ』


齋藤さんはそう言って、ベッドに横になった。


病室から出て、私は蒼真さんに、


『あの、患者さんに適当なこと言わないでもらえますか?冗談だとしても、もし間違って広まったらどうするんですか?』


って、ちょっとだけ噛み付いた。


『広まったら?何か問題か?』


蒼真さんは私に真顔で答えた。


『も、問題かって…そんなの問題に決まってます。蒼真さんに迷惑がかかりますから。私なんかと嘘でも噂が流れたら…』


『それならそれで構わない』


え…


『白川先生!すみません、ちょっとよろしいでしょうか?』


『ああ』


蒼真さん、呼ばれて行ってしまった。


構わないなんて…


本当に適当過ぎるよ。


実際、噂になったら嫌な思いするくせに。


だけど、私…


齋藤さんみたいに心臓に手を当ててみた。


そしたら、すごく…鼓動が激しかったんだ。