『蓮見さん…あなたって本当にお人好し』


そう言って春香さんは笑った。


『…素敵だよ、その笑顔。春香さんには笑顔が良く似合う。本当に可愛い』


心からそう思った。


『蓮見さん。私、別の病院で看護師続けるから。本当は全て投げ出して逃げたいって思ったけど…私の輝ける場所は看護師しかないから。患者さんのために何かしたい。あなたに言われて…気持ちが変わった』


『本当?だとしたらすごく嬉しい』


こんな短い会話で気持ちを変えてくれて…勇気を出して話しかけて良かった。


すごく…ホッとした。


『恋なんか…もう、しばらくはしたくない。看護師として、絶対に患者さんのお役に立てるよう頑張る』


その顔は、さっきまでとは違って、覇気のある表情に変わっていた。


『うん、春香さんなら大丈夫。その笑顔があれば絶対大丈夫だから。新しい病院で頑張ってね。私、応援してるから』


それに、今の春香さんなら、きっと新しい恋だってできるよ。