「……そう…だったのね」
両親は静かに、そして真剣に俺の話を聞いてくれた。
「彰くんが…病気」
「うん。だから、なにかしてあげたくて…」
俺がそう言うと、母が「じゃあ」と心配そうな顔をしながら口を開いた。
「もしかして…今一人で家にいるんじゃない?二人のお父さん主張中だから」
「…そうなるね…」
俺が静かに返事をすると母は父と一度顔を合わせてから頷いてからあるひとつの提案をした。
「じゃあ、昔みたいにうちに連れてくれば?」
「…え?彰を?」
確かに昔は二人のお父さんが主張をしている時はうちで預かってはいたけど、そしたら楓が可哀想だと思った。そんなことを考えていると母が「…それか」と別の提案をした。
「晶子さんや二人のお父さんに頼んで三人で晶子さんの家に住むか」
確かにそれならそれぞれ別の部屋があるから、楓の勉強を邪魔しなくて済む。それに、彰と楓がいつまでも離れ離れでは俺も嫌だった。