「あ、お久しぶりです。」
「俊の部屋、ものが多すぎて部屋の掃除が大変だったぞ」
そういえば昔は戦隊モノにハマっていてものを沢山集めてたな。そんな昔の思い出に浸っていると朱里さんが手を「こっちに来い」と言ってるようにヒラヒラさせた。俺は指示通り朱里さんの方へ向かった。
「はい。なんでしょうか」
「俊は彰の病気のこと知っておるのか」
俺の耳元でそう言った。別に、嘘をつく理由はないから普通に答えた。
「はい。この前楓から…」
「そうか…。なら話は早い。楓は今、彰を助けるために必死で勉強しておる。でも無理をしている部分もある。だから、俊が支えてやれ。もちろん楓だけじゃない。彰もじゃ。わしが言いたいのはそれだけじゃ」
朱里さんの夫が彰と同じ病気で亡くなってしまったからか余計にその言葉の意味が重かった。
「はい、わかってます。でも俺…彰は絶対に死なないって信じてますから。それに…俺、二人と違って頭悪いからこれくらいしかできないと思うんです」