「わかった。あ、紙かなんか貰わなかったか?」
そう言わたのでさっき預かった紙を先生に渡した。
「あ、これですよね」
「あ、それそれ」
そして楓の机の中身やロッカーのものをカバンに詰めて再び教室を出て、保健室に向かった。
保健室に戻ると先生がどこかに電話をしていた。おそらく楓のおばあちゃんにだろう。
「カバン持ってきたよ。中身はこれでよかった?」
カバンの中身を見せながら楓にそう言うと楓は軽く笑って「うん。わざわざありがとう」と言った。
「無理するなよ。あと、おばあちゃんによろしく言ってといね。じゃあ、俺授業あるから教室戻るわ。お大事に」
俺はそう言って教室に戻った。放課後、部活が終わった後お見舞いに行こう。そう思った。
「せんぱーい。今日も一緒に帰りませんか?」
部活が終わり、楓に水筒を渡してしまったので外の水道で水を飲んでいると佐伯がこっちに寄ってきながらそう言った。
「ごめん。ちょっと寄り道あるから…」
俺は口を袖で拭きながらそう答えた。
「その寄り道って…私も一緒に行っちゃダメですか?」