とりあえず近くの席の女子に事情を説明して楓を保健室に連れて行った。
「ごめん…ありがとう」
保健室の先生がいなかったのでとりあえず楓をベッドに寝かせた。
「ちょっと待ってて」
俺はそう言って教室に戻り、まだ担任の先生が来てなかったので自分のカバンから水筒を取り出して再び保健室に入った。
「これ、飲んでいいよ。まだ一口も飲んでないから」
今日は部活があるから中身をスポーツドリンクにしてきて良かった。
「え、でも…今日は部活があるんじゃ」
「いいって、飲めよ。」
とりあえず、頭が痛いだけなのか分からないから熱を測るやつを勝手に箱から取り出して楓に渡した。
「熱…測れよ」
「わ、わかった」
熱を測るためにベットのカーテンを閉めて楓を一人にした。すると、熱を測っている途中で保健室の先生が来てくれた。保健室の先生は男子から人気のある美人な若い先生だけど、俺は楓にしか興味が無い。
「あら?どうしたの?」
「あ、頭痛がするらしくて」
楓の代わりに俺が説明をした。
「君が?」
「あ、いえ俺じゃなくてこの子が」
そう言って俺はベッドを指さした。