「おはよう」
自分の席についた時に楓が俺に挨拶をした。今日は楓はきちんと起きているみたいだ。
「おはよう。あのさぁ…寝不足なんじゃないの？」
あんまり言いたくはないが楓の目の下のクマが酷かった。
「え？そんな顔に出てる！？」
彰を助けるためとは言え、楓が体調崩したら本末転倒だ。そして、大人の医者ですらできないことを楓ができるとは到底思えなかった。
「うん。疲れてる顔してるよ。勉強に熱心なのはいいけどさ…」
そう言いかけた時、楓がクラス中に聞こえる大きな声で叫んだ。
「それじゃ間に合わないじゃん！！」
クラス中がザワザワとしていた。
「ごめん…そんなつもりじゃないんだ。ただ…無理して欲しくないってだけで…」
俺がそう説明するとハッと我に返ったのか楓が、
「ごめん…俊の言う通りちょっと寝不足で頭痛いから保健室行ってくる」
「お、俺も一緒に行くよ」
「大丈夫。一人で行けるから」
楓はそう言ったけど、こんな状態の楓を一人にするなんて俺には出来なかった。