『彰へ。
これを読んでるってことは奇跡が起きたんだな。
彰が起きる頃には俺はこの世にいないかもしれない。
俺がまだ生きていたとしても歳はだいぶ離れるだろうけど、それは覚悟してる。
でも、そうなったとしても俺はいつまでも彰と友達でいたい。そして、親友でいたい。
先に言っておくが、俺は別に彰のしたことに対して怒ってない。むしろ嬉しいんだ。楓も同じこと書いてるかもしれないけど、なんでもすぐ諦めてしまう彰が初めて諦めずに自分の意思で決めたことだから。俺がどうこう言う資格はないと思う。それに、俺らのためでもあるんだろ?彰は俺と楓と前みたいに一緒にいたいと思っていると、俺は思っている。
いつまでも待ってるから。ずっと。ずっと。
そしてもし、彰が戻る頃に俺がこの世を去っていたら、手紙でも入れて墓において置いてくれ。この『ボトルメール』みたいに。
それと、いつの日か行った太宰府天満宮でお願いしたことをここに書いておくよ。
【彰と楓が笑っている世界になりますように】だ。
彰と楓の幸せは俺の幸せだから、二人が幸せなら結果として俺も幸せなんだ。そんな世界になっていることを願ってる。そういえば、言ったら叶わなくなるんだっけ。まぁ、いいか。
後、目覚めたらきちんとくるみに謝れよ。事情は俺から話しておくから。自分に正直になれ。俊より』