そして今思ったんだが、香織さんは車のハンドルを握っていなかったのが少し気になった。
「あの…ハンドルって握らないんですか?」
「あ、そうですよね。目覚めたら随分と時間経ってたんですもんね。それにしてもテレビとかで放送されないんですかね。彰さんのこと」
「俺の事っすか?なんでです?」
「だってそもそも、冷凍保存されてる人って少ないんですよ。そして、解凍されて生き返ったのは彰さんが初めてなんじゃないですかね。だから、ニュースとかにならないのかなって…。」
「そうですね……。それは俺にも…分かりませんね」
確かに香織さんの言う通り俺は特にニュースとかにはならなかった。
俺は自分が目覚めたことがニュースになって、俊や楓が俺が目覚めたことに気づいてくれて、駆けつけてくれる。そんな叶わぬことを想像していた。
「もうすぐ着きますよ。例の貿易管理会社」
香織さんは目の前にあるでかいビルをさしながらそう言った。
そのビルは俺が思っていたのと少し違ったが、別にそんなことはどうでもよかった。
「あの…ハンドルって握らないんですか?」
「あ、そうですよね。目覚めたら随分と時間経ってたんですもんね。それにしてもテレビとかで放送されないんですかね。彰さんのこと」
「俺の事っすか?なんでです?」
「だってそもそも、冷凍保存されてる人って少ないんですよ。そして、解凍されて生き返ったのは彰さんが初めてなんじゃないですかね。だから、ニュースとかにならないのかなって…。」
「そうですね……。それは俺にも…分かりませんね」
確かに香織さんの言う通り俺は特にニュースとかにはならなかった。
俺は自分が目覚めたことがニュースになって、俊や楓が俺が目覚めたことに気づいてくれて、駆けつけてくれる。そんな叶わぬことを想像していた。
「もうすぐ着きますよ。例の貿易管理会社」
香織さんは目の前にあるでかいビルをさしながらそう言った。
そのビルは俺が思っていたのと少し違ったが、別にそんなことはどうでもよかった。