「連絡は取ってるよ。でもやっぱり家には帰りたくないらしい。おかげで独り寂しいけどな。」
俺が彰の病気について知る前、彰は俺にこうなってしまった原因は自分にあると言った。俺はそれをどうしてもそれを訂正したかった。
「彰はさぁ、原因は自分にあるって言ってたじゃん。俺はそんなことないと思うけどな」
あくまで俺は彰の病気について知らない感じでそう言った。すると、彰は学校に向かっている足を止めて真剣な眼差しで俺を見ていた。
「楓と何か話したのか」
余計なことを言いすぎてしまった。俺はその彰の疑いに対して、
「いや、席が前後だから、その時に家を出てる理由を聞いた…だけ」
これで上手く誤魔化せただろうか。
「なんて言ってた?」
「いや、教えてくれなかったけど…なんか彰が原因ではないってことだけ聞いた」
とりあえず変な嘘をついても仕方が無いのでそういうことにしておいた。
「そっか…」
とりあえず乗り切れたらしい。俺たちは再び学校に向かって歩き始めた。