随分としっかりした女の子だな。そんなことを考えていると栞里ちゃんはドアを開け、中に入った。
「お母さーーん。ちょっと来てー！」
栞里ちゃんがそう叫ぶと奥から栞里ちゃんのお母さんらしき人が出てきた。
「どうしたの……ってどちら様？」
「あ、えっと…栞里ちゃんについてきてって言われまして…」
俺がここに来た理由を説明していると栞里ちゃんは部屋の奥へ行き、何かを額縁に入っている何かを持ってきた。
「おじさん、この人に似てる！」
栞里ちゃんが見せてくれたものには見覚えのある絵だった。俺はそれを見ると俺は思わず涙が出てしまった。
「その絵…どこで」
「この絵、おじいちゃんがくれたの！」
「そのおじいちゃんの名前って…」
栞里ちゃんが答える前にお母さんの方が答えてくれた。
「私の父の名前は『佐藤俊』ですけど。」
俺は確信した。だから、信じて貰えないかもしれないけど栞里ちゃんが持ってきてくれた絵が何よりの証拠だと思い、俺は思い切って俺の素性を明かした。