『勝手なことしてごめん』今でもそう思ってる。
俺はまだ生きていたかった。そして、また俊と楓と一緒に当たり前の日常を過ごしていたかった。
あれから五十年の時が経ってしまった。
二人はまだ生きているのか、俺には分からない。でも、知る方法は分かる。直接会いに行くことだ。
長い間寝ているという感覚より、俺にとっては一瞬だった。俺の病気が治る手術ができるようになる年月になったから俺は長い眠りから覚め、無事に手術を終わらせた。だから、今から逢いに行く。
それにしても随分と発展したものだな。現在地はアメリカだが、もはや俺の知っているアメリカではなかった。それよりも今すぐに二人に会いたかったがリハビリなどがあり数ヶ月間病院から抜けれなかったがやっと帰国の許可が取れた。
俺はすぐに飛行機に乗り、日本に帰った。
飛行機が発射して十時間経った。日本に着いたのだが…。こっちも俺の知ってる日本じゃなかった。
「ここは…どこだ?」
俺がそんなことをつぶやくとたまたま通りかかった男性が声をかけてくれた。
「道に迷ってるのかい?」
日本人の優しさは健在らしい。その男性は俺が行きたい場所を言うと、すぐに案内してくれた。