「…え?」
「実は…彰は私たちには話してくれたの。」
母さんが俺たち二人に衝撃の事実を口にした。
「えっと…どういうことですか?」
俺は動揺を隠しきれなかった。それは楓も同じだった。楓が母さんに聞いてくれたら、母さんが説明を続けた。
「二人が新婚旅行に行く前日に電話で言われたのよ。泣きながら『ごめんなさい』って…」
俺は母さんからその事実を聞いた瞬間、家を飛び出していた。
「俊!?」
中学の頃は電車で行っていた海を俺は走って行った。
みんなは驚いていたが俺は後ろを振り返らなかった。
「俺の方こそ…ごめん彰…」
俺はそんなことを呟きながら必死に走った。
何分走ったか分からないが、海についた。
俺はすぐに楓の描いた絵に描かれていた星マークの場所へ向かった。
「これって…」
そこには、岩に釘が刺さっていて、その釘に紐が括り付けられていて、その紐の先には一本の瓶があった。
どうやら彰は俺達と同じことを考えていたらしい。