そして次の日、俺たちは携帯で飛行機の予約を取り、午後三時頃に向こうに着くような便に乗ることにした。本当ならもっと早いのにしたかったが、色々あって予約が取れなかった。
俺たちはすぐにタクシーを広い、俺の実家まで向かった。理由は俺の実家に全員で集まることになっているからだ。
とりあえず中に入ると、彰と関わりのある人達がいた。
「遅れてごめん」
約束の時間があった訳ではなかったが、とりあえず謝っておいた。
「……本当に平気？」
母さんは俺たちの顔をもう一度伺ってきたが、はっきりいって大丈夫では無い。
「…だ、大丈夫…」
俺は思わず自分の本心が出そうになったが必死に抑えた。そんな俺の様子を見て朱里さんが口を開いた。
「…俊。私があの時言ったこと覚えてるかい？」
「…はい、覚えてます。」
朱里さんの言っている『あの時言ったこと』とは神社で言われた彰の性格とこれからについてだろう。
「でも…せめて俺達に話して欲しかったです。」
自分の考えを思わず朱里さんにぶつけてしまった。
「大切だから…楓と俊の二人が大好きだから話せなかったんだと私は思うけどね」