『落書きしてごめん。彰』
「…え？落書き？」
俺は楓の方へ行き、一緒にその絵を見るために立ち上がり、楓の方へ向かった。
「落書き…なんてどこにも…」
その時、俺たちが描かれている近くの岩辺りに、小さな星マークが描かれていた。
「楓、落書きってこれじゃないか？」
俺はその星マークを指さした。
「確かに、私こんなの描いてない」
「もしかして…そこに行けば」
「明日にでも行こ！」
俺はそう提案した。この絵は元々俺たちの地元の近くの海で描かれたものだった。だからそこに行けば彰から俺たちに対しての何かがあると思った。すると楓が、
「明日？今すぐ行こうよ」
「いや、ごめん。明日にしてくれるか？」
「…何か都合があるの？」
楓が俺にそう聞いた。その問に俺は首を縦に振った。
「うん。ちょっと…」
「じゃあ、明日にしようか」
以外にもあっさり明日になった。俺はそれで良かった。
「じゃあ、ちょっとその用事に行ってくる」
「じゃあ、私も行くよ」
「いや、楓は先に家に帰っててくれるか？」
「…え？」
「…頼む」
俺は軽く笑って楓にお願いをした。別に、楓がいたらダメとかではない。俺が一人で行った方がいいと思っただけだ。あくまで個人的に。
そして俺は楓を一度家に帰るように言って、ある場所までバイクを走らせた。