「でも、普通のファッションモデルの仕事だよ。それでね…来月号がね…表紙なの」
「楓が!?すごいじゃん!」
俺の可愛い奥さんが世間に見られてしまうのは少々苦痛だが、仕方がない。
「内緒にしててごめんね」
「いいんだよ。それより結婚式場はどこにする?」
「うーん…こことかいいんじゃない?」
楓は少しいじってから携帯電話の画面を俺に見せてきた。
「なら聞いてみよう」
「聞く?」
「うん。俺のお父さんがの知り合いが結婚式場選びの手伝いをする仕事をしているみたいでさ。それをこの前父さんに言われてさ。楓と相談したら、教えろって」
「お義父さんすごいね!」
「そうだね。自慢のお父さんだよ。」
俺はとりあえず、父に電話をして話し合ったこと伝えようとした。
「楓がここがいいんだって。どうかな…」
『任せろ。最初で最後の結婚式だもんな。友達に相談して置くよ。ついでに少し安くしてもらえるように交渉しとくぞ』
「ありがとう。何から何まで」
俺は一人では何も出来ない。改めて痛感された気がした。