それからは普通に彰の運転で家に帰った。その運転を見て、俺もそろそろ車の免許取ろうかな。そんなことを考えていた。

何日か実家で過ごした後、俺と楓は九州に帰ることにした。理由は分からないが、彰はもう少しここに残ると言うので俺と楓の二人で先に九州に戻ることにした。
「ただいまぁ!」
楓は家に着くなり、だいぶテンションが高まっていた。それもそのはず、これからはいいことしか起こらないのだから。
「ねぇ、俊。来月にしようか」
「…何を?」
「新婚旅行!私、来月に給料めちゃくちゃ入ってくるから」
「闇金?」
いつも通りネタで返す。
「違うよ!ちゃんと正式にバイト!」
「へぇー知らなかった。どんなバイト?」
俺は楓がバイトをしていることを知ってはいたが、なんのバイトを知らなかった。
「モ……」
「モ?」
少し、言いずらそうだった。がさすがに変なバイトをさせる訳にはいかないので聞く必要があった。
「……モデル」
「モデル!?」
俺は驚いて持っていた携帯を思わず落としてしまった。
「うん。スカウトされて……」
「楓は可愛いもんな」
思わず思ったことが口に出ていた。