「…なんで?」
「そんなの俊に会いたいから?」
「なんで疑問形?」
「会いたいから!」
「…そっか」
俺はただただ嬉しかった。楓が俺に会いにわざわざ帰ってきてくれたことに。
「でも、たまたま俺が外にいたから良かったけど家で寝てたらどうするつもりだったの?」
「それは申し訳ないから普通に家に帰るかな。でも、私が家に入ろうとしたら、タイミングよく俊が家から出て来たから向かいに出てくれたのかと思った。」
「残念だけどたまたまだよ。外に出たい気分だった」
「じゃあ、少し歩こ?」
俺は楓のその案に乗ることにした。そもそも俺は外を歩くために外に出た。
「いいけど、楓は大丈夫?今帰ってきたところなんでしょ?」
「平気平気!ほら、行こ!」
楓は俺の手を握り、軽く引っ張った。俺は引っ張られるように前へ歩いた。
俺は楓とちょうど話したいことがあったからこれを機に話すことにした。もちろん内容は結婚式や新婚旅行についてだ。