その日の夜、時間で言うと十八時頃、俺の家のインターホンが鳴った。楓が約束通り来たみたいだ。
「学校以外で会うの久しぶりだね」
ドアを開けるなり楓が俺にそう言った。楓の言う通り学校以外で会うのは久しぶりで約1ヶ月ぶりだった。
「そうだね。とりあえず親いないから入っていいよ」
そう言って楓を家にあげた。両親はどっちも今日は仕事で家に帰るのが遅いらしい。
「先に俺の部屋行ってていいよ」
そう言い残しリビングに行きお茶を出そうと思った。
準備をして二階へあがり、部屋に入ると楓は正座をしていた。
「なんでそんなにかしこまってんの？」
「いや、なんか部屋入るの久しぶりで」
楓を家にあげたのは小学生の頃が最後だった気がする。もちろん、その時は彰もいた。
「そっか……」
お茶を机に出してから胡座をかいて楓の前に座った。
「…それで話って？」