「急にどうしたの？」
「いや、そんなふうに思っただけだよ」
「ありがとう。」
それからは世間話をしつつご飯を食べた。
それから楓をお風呂に入れ、その後に俺も風呂に入った。
「私ってどこに寝ればいい？」
「俺がソファに寝るから楓は俺のベッド使っていいよ」
「え、いいよ。俊が使いなよ」
「いや、楓が使えよ」
「いや…………………」
そんなやり取りをかれこれ三十分くらいやった後、結局は二人でベッドに寝ることになった。
決して俺のベッドは二人用のベッドでは無い。だから端っこと、端っこで寝るような形になっている。もちろん楓は落ちないように壁側で寝かせた。
俺は楓が寝たら俺はゆっくりソファに移るつもりだ。
深夜十二時を過ぎた頃、楓の可愛らしい寝息が聞こえたので起こさないようにベッドから降りようとした時、楓に俺の服の袖を掴まれた。
「…俊？どこ行くの？」
「えっと…喉乾いたから…」
「…そっか。私も喉乾いた」
掴んでいた袖から手を離し、楓は起き上がった。
どうやら俺はソファに移ることに失敗したらしい。