「え?彰、芽吹さんのところにいるの?」
俺が彰からの返答を待っていると、俺たちの会話を聞いた楓が反応した。
『あ、楓と一緒なんだ。それと、俊の言う通り芽吹さんのところにいるよ。検査的なやつでね』
「…あ、そうなんだ」
少し焦ってしまった自分が恥ずかしかった。でも、芽吹さんのところに検査に行くことなんて今まで無かったからそれはそれで不安だった。
『だからそんな心配すんなよ。楓にもそう言っとけよ。あと、行けなくてごめんな』
「あ、うん。それは大丈夫…」
俺はなんて返せばいいかわからなかった。
『わりー、もう行かなきゃ』
彰はそう言って電話が切れてしまった。
「ただの検査だって」
俺は彰から言われたことをそのまま楓に伝えた。
「…そうなんだ。検査なんて今まであったの?」
「いや、少なくとも俺が知る中では初めてかな…。でも、彰も心配するなって言ってたし」
「そうなんだ…。それと、くるみちゃんも用事があったみたい。」