「そういえばさぁ、体育祭も出れないの?」
体育祭は九月に行われるからさすがに怪我も治っているだろうから聞いてみた。
「…どうだろうな。治らないかもしれないからな…死ぬまで…」
また昨日のような悲しい声でそう言った。そこには俺に対しての謝罪が含まれていた気がした。『バスケ一緒にできなくてごめん』そう言われた気がした。
「……治らない?どういうこと?」
ずっと気になっていた事だ。足に怪我をしたというのにサポーターとか包帯とかを何もつけてなかった。
「それは……俺もよく分からないんだ。とにかくまだ治ってない。本当にごめん。体育祭も出れるかどうか分からない。」
俺の目をしっかりと見ながらそう言った。
「……そっか」
俺にはそれしか言えなかった。幼馴染とはいえ踏み込んではいけない時がある。それが今だと思った。
「…いつか…全部話すから」
気を遣ったのか彰は俺にそう言った。
「…いいよ、別に無理に話さなくて」
彰に気を遣うためそう言い返した。その後は終始無言で帰宅した。
「じゃあ、また明日。明日は二度寝するなよ」
そう言って家のドアを開けて家の中に入っていった。