「あ、当たり前だろ。」
だから、俺も笑って返事をした。これでいいんだよな。と自分に言い聞かせた。
それからは何事もなく、いつものように練習に励んだ。
その夜、俺は再び彰に相談をした。
「なぁ、これでいいと思うか?」
これは今日あったことをそのまま話したあとだ。
「うーん。でも、本人がそれでいいって言うならいいんじゃないか?」
「そうだよな…。」
そう言いつつも俺は少し不安だった。ほんの少しだけ。
「そんなに気になるなら今からでも行ってこいよ。ていうか隣じゃん」
彰に俺がまだ悩んでいることが伝わってしまった。
「え?あ、うん。そうするわ」
彰の言う通り、佐伯の部屋は隣なのだからすぐにでも確認を取ればいいのだ。
俺はすぐに隣の部屋に行き、ドアをトントンと軽く叩いた。するとすぐに佐伯がドアを開けた。
「え、俊…先輩?」
「ちょっといいか。部屋入っても」
ここで話すのはあれだから部屋に入れて欲しかった。
「あ、はい。どうぞ…」
佐伯はまだ動揺を隠せていたなかった。