「しょうがないだろ…初めて言われたんだから」
佐伯はスっと俺の手を離してくれた。両方とも。そして夕日を見るように前を見た。
「でも、大丈夫ですよ。」
「……え?」
「返事は大丈夫です。私、わかってますから。俊先輩が楓先輩のことずっと前から好きだってこと。」
「…………」
「私は気持ちだけでも伝えられたら満足ですから」
俺はなんて言えばいいか分からなかった。初めてなことだらけのこの状態をどうするべきかなんて俺には分からなかった。でも、あのことだけは俺は佐伯に伝えるべきだと思った。
「…ごめん。佐伯の言う通り、俺は楓が好きだ。だから、佐伯の気持ちには答えられない…」
「改めて言わないでくださいよ。恥ずかしいので。」
「…ごめん」
すると、佐伯はスっと立ち上がりどこかへ行こうとした。
「…ごめんなさい。私、先帰りますね」
「え?ちょ…」
「すみません。一人にしてください」
俺はこういう時、どうするのが正解なのだろうか。
俺はまだ一人でベンチに座っていた。ずっと、ずっと。暗くなるまでずっと。
佐伯はスっと俺の手を離してくれた。両方とも。そして夕日を見るように前を見た。
「でも、大丈夫ですよ。」
「……え?」
「返事は大丈夫です。私、わかってますから。俊先輩が楓先輩のことずっと前から好きだってこと。」
「…………」
「私は気持ちだけでも伝えられたら満足ですから」
俺はなんて言えばいいか分からなかった。初めてなことだらけのこの状態をどうするべきかなんて俺には分からなかった。でも、あのことだけは俺は佐伯に伝えるべきだと思った。
「…ごめん。佐伯の言う通り、俺は楓が好きだ。だから、佐伯の気持ちには答えられない…」
「改めて言わないでくださいよ。恥ずかしいので。」
「…ごめん」
すると、佐伯はスっと立ち上がりどこかへ行こうとした。
「…ごめんなさい。私、先帰りますね」
「え?ちょ…」
「すみません。一人にしてください」
俺はこういう時、どうするのが正解なのだろうか。
俺はまだ一人でベンチに座っていた。ずっと、ずっと。暗くなるまでずっと。