「でも、無理には聞くなよ」
一応言っておいた。佐伯なら無理にでも聞き出そうとすると思ったし、彰ならグイグイ来られると仕方がなく話してしまいそうだからだ。出来れば話してもいいと思った時に話して欲しい。
「……わかりましたよ」
それから黙々とハンバーグを食べ、会計をしてファミレスを後にした。
「奢ってもらってすみません」
店を出てすぐ、佐伯は俺に軽く頭を下げた。
「いいよ。別に、いつものお礼。」
「ありがとうございます。じゃあ、そろそろ話してあげますよ。でも、ここじゃあなんか嫌ですね。私、いい場所を知ってるのでそこに行きましょうか」
俺は首を縦に振り、俺は佐伯の後を付いて行った。というか、それしかできなかった。
「ここです!」
佐伯に連れられた場所は俺たちが今暮らしている街並みが一望出来る場所だった。
「綺麗だな」
ちょうど夕日が街をオレンジ色で包んでいる時だった。俺はそんな綺麗な街をベンチに座って眺めていると佐伯が俺の隣に座った。そして、話し始めてくれた。