もはや訳が分からなかった。佐伯が何を言っているのかも、彰がなんでわざわざこんなことをするのかも。
「どゆこと?」
「じゃあ、映画終わったら教えてあげますよ。私の気持ちについて」
俺の疑問は解決されないまま、俺達は映画館を目指した。歩いている時はバスケの話をした。俺と佐伯の共通の話などこれしかない。主に、最近のNBAの選手についてとかだ。
映画を見ながら、俺は佐伯の言っていた意味について考えてしまって、映画に集中出来なかった。
「面白かったですねー!」
俺たちが見たのは恋愛映画だった。周りはカップルだらけだった。
そして、俺の映画を見た感想だが、最近の可愛いと思っていた女優が主演で出てるなぁ、としか感想はなかった。
「先輩はどうでした?面白かったですか?」
「ああ、面白かったぞ」
嘘ではないし、本当でもない。それが本当で微妙な答えだ。
「それで、さっきの続きなんだが…」
俺はどうしてもさっきの続きの話をして起きたかった。