「わ、わかった。じゃあ、また明日学校で」
どうせ、明日の放課後の前に席が前後なので会うことになる。
気まずくならないように努力するか。そう胸に誓い、再び布団に潜った。

次の日の朝、今日、彰は起こしに来ることは無かった。玄関を出ると彰も丁度ドアを開けていた。
「今日はちゃんと起きたんだな」
「おう。今日は親は仕事休みだから二度寝してないからな」
きちんと時間通りに登校できた理由を説明したところで、二人で並んで学校に登校する。
「あ、ところでさ、もしかして彰の父さんって主張中?」
昨日家に帰る時にふと川口家を見たら明かりがついてるのが彰の部屋だけだった。
彰と楓の母親の方はと言うと俺たちが小学生になりたての頃、病気で亡くなった。なんの病気かは俺は知らないし、聞こうとも思わなかった。
「あ、うん。だから、家には一人だよ」
楓のやつ。彰を一人にさせて何してんだ。大した理由じゃなかったら少しだけ怒ってあげよう。そう思った。