俺も練習に加わろうとした時、佐伯に止められた。
「あ、俊先輩は職員室に行って顧問の先生と話してきてください」
「え？俺…なんかした？」
「いえ、私が電話で言ってた嬉しい報告ですよ」
「それって俺にとってか？それとも佐伯にとってか？」
「なんですか。その質問。」
「いや、なんか…佐伯が嬉しそうにしてるから？」
「も、もういいですから早く行ってください！」
佐伯は俺の背中をバチン！と叩いて練習の方へ言ってしまった。それにしても、普通に痛い。
とりあえず、佐伯に言われた通り職員室に行くと顧問の先生がなにかの事務作業をしていた。
「あの…、バスケ部の田中です。」
俺が恐る恐る職員室に入ると顧問の先生が俺の存在に気づいて事務作業を辞めてこちらに来た。
「ちょっと場所変えようか。」
そう言って分厚い本を一冊持って進路指導室に向かった。俺はその後ろを着いて行った。心臓がものすごい音を立てていた。佐伯の嬉しい報告というのが少しだけ信用出来なかった。