「っ、と、とにかくっ!高校でわたしたちの関係知ってるのはあんたしかいないんだから、黙っててほしいの!」
「ほいほい………って、あ」
テキトーな返事をしたあと、涼介が不自然に声をあげた。
それと同時にやってきた頭の重み。
「なーに?3人の溜まり場なのに俺抜きで密会?やらし〜」
頭上から聞こえてきたのは1日で多分一番聞くことの多い声。
ドキドキするようで、どこかホッとする。
「よーっす美月。久しぶりのようで昨日ぶり」
「お前らここ来るなら連絡しろよな」
当たり前のように椅子を引いてヤツは隣に座った。
ふわっと香るのは甘い匂い。
ツキの匂いじゃない。さっきの女の子たちの移り香だ。