「だいたいお前さ、なんで美月との関係隠したいわけ?
あーんなハイスペックのイケメン幼なじみ、隣に置いときゃマウントも取れるし自慢だろ。俺だったらひけらかすね」


「あんたツキのことなんだと思って…」


「大事な親友に決まってんだろ☆」


「今のあんたが言うと全部嘘に聞こえるわ」



チャラけた表情の涼介に、ため息が漏れる。



「まあ、冗談は置いといて」


「冗談で安心したわ」


「付き合ってるとかならまだしも、美月とはただの幼なじみだろ?」


「………〝ただの幼なじみ〟だから尚更じゃん」


「は?」



付き合ってるとかなら別に周りに知られたって構わない。
だけど、わたしと美月は〝ただの幼なじみ〟。

ただの幼なじみだから、なおさらツキ離れしなくちゃいけないんだ。



「〝ただの幼なじみ〟がいつまでもべったりだったらいくらなんでもうざいでしょ?しかも加えてバカで手が焼けるんだよ?」


「そこは自覚してんのかい。
……何が美空をそこまで頑なにさせてんのか知んないけどさ、美月が良いなら甘えればいいじゃん。彼女がいるわけじゃあるまいし」


「そんなんじゃ、お互いできるもんもできないでしょ!」



今日一で一番大きな声をあげた。

突然のことで驚いたのか涼介の肩も上がった。