「!?」



驚いたようにツキがわたしの方を振り返った。

ツキは何も悪くないんだけど、なんとなく腹が立って、舌を出してあっかんべー。



「おまえ……」


「はーい。じゃあ、みなさん、体育館に移動します。廊下に名簿順で並んでください」



ツキがなにか言いたげに小さく声を上げたとほぼ同時。

先生がそう言った。


がたがたと次々に席を立つクラスメイトたち。


わたしも席を立った。

ツキがわたしを引き留めようとしたけど、すかさず「や、く、そ、く」と口パクで彼に念を送る。



「はあ……」



とまたもや小さくため息をつくツキ。


そのあと、何事も無かったかのようにわたしの横を通り過ぎていく。



なんというか、さすがの切り替えの速さ…