一人目の復讐相手が卒業式後、猛然と赤鬼のような顔つきでやって来た。

 どういう事だ!……そう言いながら。

 そう、僕は知り合いに頼んでおいた。
 これまでに貸した全額内容をまとめた物を見せて、返すように取り立ててくれ、と。

 何故なら僕に貸せ、と言ったのだから。 貸せ、と。
 貸したのならば、返してもらう必要がある。

 だが、あいつには苦労して働く事はできない。
 完全に楽を覚えた、僕が覚えさせたのだから。 働くのが嫌になるほどに。

 これからあいつがどうやって金を稼ぐのか、楽しみだ。
 もちろん、知り合いにはあいつの監視を今後も頼まなければならない。 犯罪しない程度に苦労してもらわなければならないからだ。

 まぁ、最終的には地獄を見る事になるのだろうが、それは僕の知るところではない。

 こうして一人目の復讐は、おそらく数年後には完結する事になるだろう。