ある日、数枚の画像がスマホに届いた。
 それは誰もが騒然となるもので、教師を巻き込む事態となった。

 なんと、あの女が教師とホテルに入る姿をキャッチされていたのだ。
 その光景を誰が撮ったか、詮索する必要はないだろう。

 僕はその画像を他の生徒一人に転送した。
 ただ、それだけだ。僕のした事は。
 それだけで効果は抜群だと知っていたから。

 数日も経過しない内にそれは教師側の知るところとなり、大問題へと発展した。
 それだけではない。
 それまでのあの女の素行も、彼女に行ったいじめさえも発覚し、停学処分となった。

 だから彼女に感謝される理由にはならない。 あの男が彼女の為にしたのだから。
 そして彼女自身のいじめについても証言する勇気が持てたのはあの男のおかげだろう。

 僕は何もしていないのだから。

 そしてその後。
 卒業時、あの女は一人孤独にひっそりと正門を出て行く事になった。
 周囲の白い目を背中に受けて俯きながら。

 こうして知らず知らずの内に僕の二人目の復讐は、あの男の彼女への想いによって終了した。