同性婚〜愛は二人の中に〜

「うわぁ〜、素敵!」

二人は目を輝かせて目の前の光景を見つめる。部屋の一面に白や色とりどりのドレスが並べられている。そう、今日は二人が結婚式で着るドレスを選びにきたのだ。

「こんなにたくさんあるとは、想像もしていなかったわね」

藍が言い、美砂も頷く。こんなにたくさんあれば、選ぶのに数時間はかかってしまいそうだ。

「とりあえず挙式の時に着るものと、披露宴で着るもの、それぞれ選ばないとね」

美砂はそう言い、ドレスを手に取ってみる。ドレスは一つ一つデザインが違い、様々な種類が並べられていた。

「藍は背が高いから、マーメイドラインのドレスとか似合いそうだよね。それに高いヒールなんて履いたらモデルさんみたいじゃない?」

「なら美砂は可愛いから、Aラインやプリンセスラインのドレスが似合いそう。ティアラとか頭につけたら本物のお姫様ね」

そんなことを言いながら、二人はドレスを何着か選び、一着ずつ試着をして、少し違う、これは似合うなど話しながら決めていく。
最終的に、美砂はAラインのドレスを、藍はエンパイアラインのウエディングドレスを挙式で着ることに決めた。披露宴では、美砂は緑のレースやリボンのついたドレスを、藍は青いシンプルなデザインのドレスを選ぶ。

「本番が楽しみね!」

帰り道、二人は指を絡ませ合いながら手を繋ぎ、歩いていく。あの素敵なチャペルで、永遠の愛を誓うのだ。

美砂は藍に向かって背伸びをし、優しく触れるキスをする。

「結婚式の時って、みんなの前でキスするんでしょ?何だか照れちゃうわ」

美砂が顔を赤くしながら言うと、「そうね。今さらだけど恥ずかしいわね」と藍は微笑む。

もう一度、互いの唇が重なった。



約一年の時間をかけた美砂と藍の結婚式は、ついに今日行われる。花嫁である二人は支度のために早めに式場に向かい、ドレスを着てヘアメイクをしてもらった。

「素敵!よく似合ってるわ」

綺麗なドレスに身を包んだ藍を見て、美砂は胸を高鳴らせる。今日から二人は家族として歩んでいくのだ。病める時も、健やかなる時も、互いを愛し合って生きていく。
「美砂もよく似合ってる」

藍がそう言い、唇を重ねようとした瞬間、「グロス取れちゃうでしょ!」と互いの母親に止められてしまった。

その後、母親から「綺麗ね。藍ちゃんと幸せになってね」と言われながらベールを下ろされ、愛を誓うために祭壇まで向かう。その間、二人は互いのことを何度も見つめ、そのたびに目が合った。

「ねえ、美砂……」

歩きながら藍が呟く。

「私を選んでくれて、ありがとう」

真剣なその言葉に、美砂は「何言ってるのよ」と泣きそうになりながら微笑む。

「私の方こそ、ありがとう。二人で幸せになろうね」

扉がゆっくりと開いていく。これから、二人を祝福してくれる人たちの前で愛を誓うのだ。二人は微笑み合い、中へと足を踏み出した。







初めましての方、初めまして!お久しぶりの方、こんにちは!浅葱美空です。

これからしばらく短編は、友達からのリクエストになります。結構な量があるので、一つずつ頑張って書いていきたいです!スタートである第一話は、同性婚のお話を書きました。

同性婚は日本では認められておらず、まだまだ理解されていないのが現状ですが、いつかこんなお話のようなことが当たり前になったらいいのにと思っています。

最近、アメリカのウエディングドレスの会社?お店?の動画を見るのにハマっているのですが、同性同士で結婚式を挙げるためにドレスをお互い幸せそうに選ぶカップルの映像を見ると、恋人と結婚式を挙げたい、羨ましいと思ってしまいます。

読んでいただき、ありがとうございました。また次の作品でお会いしましょう。





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