来ないな、月子からメール。

 缶をゴミ箱に捨てたあと、唯由はスマホを見て溜息をつく。

 いや、来なくていいのだが、来ないと心配になる。

 実は唯由が家を出ていったのは、使用人たちのためもあるが。

 月子たちのためもあった。

 あの人たち、私に頼りきりで、なにもしなくなっちゃったもんな。

 ……ちゃんとやってるかな~、月子とお義母さんたち。

 三条さんたちも大丈夫かな。

 シンデレラは家を出たあと、不安にならなかったんだろうかな?

 実家があのあとどうなったのかとか。

 いや、私はシンデレラじゃないけどさ。

 王子もいないし、と思ったとき、蓮太郎が視界に入った。