「わー!さっきまでホコリまみれだったのに、すごーい!!」

「ちょっと掃いただけだし」

「でも僕、掃除苦手だから…ありがと!」

「…ん」

私はとりあえず教室の端に置いてあったパイプ椅子に座る。

「怜、隣おいで」

ちょいちょい、と手招きをして隣のパイプ椅子に座らせようとした。

「はーい!」

タッタッと、こちらに来る怜を待つ。

「よいしょ…っ!」

怜がイスに腰掛けるとガシャンッと、音がして怜が尻餅をついた。

「怜っ…」

私は焦って立ち上がり怜を見る。

「いたぁーい!!」

怜は自分のお尻を撫でている。

パイプ椅子が古かったのか?

ネジが外れて足がとれている。

「ごめん、怜…大丈夫?」

手を伸ばすと怜は私の手を掴んで立ち上がる。

「ん…大丈夫!まだちょっと痛いけど、玲央のせいじゃないし!」

ニコッと笑ってそう言った怜。

気を遣わせてしまった…。

「ありがと、怜。ごめん、新しいの探してくる。」

私は今まで自分が座っていたイスに怜を座らせた。