俺とその子しか知らない言葉をなんでルチアが知ってるのかは、置いておいて。


決めた。
ルチアを絶対に闇から救い出す。
不吉だと言う双子の言い伝えを断ち切ってやる。


「やっぱり俺はお前を見捨てることはできねーよ。俺が騎士になったのは誰一人欠けることなく、その心の光を守ることだ。」


「どうして·····。」


「俺は·····ある人と約束したんだ。
強くなって、みんなを守ると。」


俺は真っ直ぐルチアを見据える。


「ごめん·····。さようなら!」


背を向けて走り出す彼女を直ぐに追おうとした。


「アラン様、国王がお呼びです…。」


「あぁ、時間切れか?」


「……。」


俺の部下の1人が暗い表情で歩み寄る。
そのまま俯いてしまう。



無理もない。

国王に呼び出されて、途中帰還した者の後を知っているからだ。