私の前にいたジャックへ何とか歩み寄る。



「ジャック、早くこの煙幕から出よう。」



「ルチア待って!それ俺じゃない!」



ジャックの声は明らかに遠くて、ジャックだと思って歩み寄った人影から声がしない。



まずい…。



と思った時には遅くて。



「よし、ルチア!これから2人で楽しいデートの時間だ。」



「ちょ、降ろして!」



私は肩に担がれて、誰にも見られたくないくらい羞恥心に駆られる。



「まぁ、そう恥ずかしがるな。」



どう考えてもこの格好は恥ずかしいに決まってる!!



「ルチア!すぐ助けるから待ってて!」



煙幕の中からジャックの声がする。