予想外なことをいつも言ってくるからついつい反応してしまう。



「ジェラルド、ルチアを困らせるのも大概にしなよ。」




ジャックが、私を背に隠してジェラルドと向き合ってくれる。



「ふむ。今日はアランが余計なことをしたせいで2人きりになれないな。

せっかく両想いということがわかったのに。」




顎に手を添えて考え込む素振りを見せるジェラルドに、私達は警戒する。



というか、両想いじゃない!



「俺から離れないでね。」



「うん。」



ジャックがいてくれてほんとに良かった。



「仕方ない。3人で行くとしよう。」



良かった。

諦めてくれた。



「…なんて行くと思うなよ?」



「え?」



私とジャックは予想外な返答にポカンと口が開いてしまう。



同時に、

―ボンッ―と音を立てて白い煙が部屋を覆い尽くす。



「ちょっと!あんた何考えてるの!?」



白い煙は煙幕だった。



ジャックらしき人影しか見当たらず、あとは白い煙がどこへ歩いたらいいかわからない程広がっていく。