「私が忌み嫌われているのは納得しているけど、あんたは周りから好かれているじゃない。」




「それは、ここに来てから。」




「どういうこと?」



「あんただって双子は災いを齎すと言われている。けど、ここへ来てから騎士団長達はあんたを避けていないのと同じ。」




確かに。


言われてみればここへ来てから、私を避ける人はほとんどいない。



普通の人と同じく接していて、正直悪い気はしなかった。



だからこそ傷つけたくなくて、冷たい言葉を放ったりした。



「俺が産まれたことで俺の村が、盗賊に襲われたりして大変だったらしい。

その後は、盗賊に襲われたことによって生活が苦しくなって近所同士での争いになったと言われ続けていた。」




「そんな出来事があったのに、あんたは騎士団長としてこの国に忠誠を誓ったのはなぜ?」




私は……災いを齎すと言われて追い出された。




違う……追い出されなくてもこの場所からいなかったのかもしれない。



「俺は、忌み嫌われる理由に納得いかないから。

この国をこの手で護って、いつか俺の存在を両親や村の人達に認めさせてやるからだ。」