毎週金曜日が来なければいいのに。週7日、毎日学校があればいいのに。ついでに夏休みと冬休みもいらないよ。

こんなこと言ったら世界中の人に怒られそうだなあ。


「おっはよー茉幌!」

「おはよう日葵。あ、髪の毛かわいいね」

「へへへ、今日の放課後はデートなのー。明日もデート」


ゆるく巻いて耳のうしろでふたつに結んだ髪型。とってもかわいく笑うからつられて笑う。日葵は今日も楽しみだし、明日が来るのが楽しみみたい。


「どこ行くの?」

「今日は千昂の家で、明日は遊園地だよ」

「いいねえ、デートって感じだ」


じゃあ今日の放課後はバイトの時間まで図書館でも行こう。


「茉幌は土日バイト?」

「うん。でも明日の午前中はバイト先の人とボーリングに行くよ」


ボーリングはとても好きだし得意だったりする。だけど弓くんの歓迎会で弓くんに負けちゃったから明日は絶対にリベンジするんだ。

思い出すと笑っちゃう。わたしを応援してたりくちゃんが弓くんに突っかかって、それを弓くんが冷たくあしらって…わたしが負けたのにりくちゃんが一番悔しそうだったっけ。


「茉幌が笑った。バイト先の人たち仲良しだよね。けっこうそういう会が多い気がする」


そう言われるとそうかもしれない。日葵以外で唯一遊んだりする人たちだ。


「店長がそういうの好きだからかなあ。店長が面倒見良いおかげもあって馴染めてるとは思うよ」

「そうだよね、夏祭りに見かけたとき楽しそうだったし」


去年は夏祭りに出店を出したりもした。おかげではじめて日葵を彼氏とのお祭りに送り出せたんだ。毎年行ってもらって、日葵の歴代の彼氏さんには申し訳なかったなあ。

浴衣姿を着たら千昂くんに「誰にも見せたくない」なんて言われちゃったのって、日葵はうれしそうだったなあ。