「ああ、ごめん。俺もその予定パス」



「えっ」



「ごめんね、クリスマスに先約あって」



チカくんと暖くんに向けて、わざとらしく謝るなずなくん。

チカくんがわなわなしてる。たぶんだけど、チカくんはみんなで過ごそうと思ってたんだと思う。だってさっきクリスマスケーキのカタログ持ってたし。



「おいおいなずなさん~?

先約?クリスマスに?誰との約束だよ~」



「それはちょっと言えないかな」



両手の人差し指で、口元にばってんを作るなずなくん。

そういえば最初はなずなくんのことをひそかに苦手だと思ってたけど、いつの間にかそんな印象もなくなった。




「絶対女じゃねえかよ~。

ふざけんなよ、次から次へとイチャつきやがって」



「まあ、彼女いるしな」



「去年のクリスマスは、

俺もあすみも付き合ってやってたじゃねーか」



「俺も誘われて、行くって返事しちゃったし」



「まあいいよ、俺も適当に女の子探すわ~。

ってことでチカちゃん、クリスマス当日は幹部代表としてここでのお勤めよろしく~」



「っやだー!僕も遊びたいー!!」



チカくんが足をバタバタさせるけど、誰も味方になってくれず。

あすみくんに泣きついた末に、26日は藍華のみんなでクリスマスパーティーをしようと決定した。……チカくんは、帰るまでずっとふくれてたけど。