ふたりで交換し合ったのは、お互いのクリスマスプレゼント。

せっかく仲良くなれたのだから、とリカちゃんが提案してくれたもので、イブの日に交換しようねと約束していた。



ちなみにわたしからのプレゼントは、リカちゃんとあすみくんがペアで使えるようにとあるブランドのマグカップのセット。

……事前に本人にそれっぽいものを持っていないか確認したから、リカちゃんは中身を知ってるんだけどね。



そして。

受け取った紙袋から察するに、彼女がプレゼントしてくれたものは恐らくルームウェア。……だってルームウェアが有名なレディースブランドの袋だもの。



「せっかくだから今日着てみてね」



きっと恭くんも喜ぶよ、と。

リカちゃんの言葉が、聞こえているのかいないのか。



「、」



チラッと一瞬こっちを見た恭は、何事も無かったかのようにスマホを触ってる。

……何か言いたいことがあるなら言えばいいのに。




「なーちゃんなーちゃん」



「なに? チカ」



するすると、チカくんがなずなくんに擦り寄る。

特に何をするでもなくその様子を見ていたら、チカくんは「なーちゃんは明日誰とデートなの?」とストレートに聞いていた。



そういえば、予定があるって言ってたけど。

何となく女の子を毛嫌いしていそうな彼が約束するのは確かに珍しくて、思わずわたしも視線を向けてみれば。



「……鞠ちゃん知ってるんじゃないの?」



「え?」



予想外に話を振られて、首を傾げる。