「真……!」
何かがスコップに当たった!
「お姉ちゃん、それ、当たりじゃない!?」
真も近寄ってきて、ふたりで協力して掘り返す。
「誰だったっけ、木の下だって言ってた人」
スコップを置いて手で周りを掘り返していると、真が意地悪な顔で言った。
「……だって!普通、イメージ的に木の下だって思うじゃん!」
言い訳を言いつつ、一生懸命に掘った。
青色と白色のボーダー模様の大きな缶の入れ物。
確か、元々はクッキーが入っていたって清香ちゃん、言ってたっけ。
それは、庭の中央。
全く何の目印もない所から出てきた。
「まさか中央に埋めるとかねー、お姉ちゃんと清香ちゃんらしいわ」
「……何も考えてないよねー」
「適当に決めた感じ、めっちゃ伝わってくる」
「そうねー。結果、苦労しましたよ」
私達は泥だらけの足をとりあえずタオルで拭いて部屋に戻り、ものすごく久しぶりに一緒にお風呂に入った。