「そうかぁ……」
難しい問題だ。
東野さんが悪いわけでもないし、友達の気持ちも分からないでもない。
「横手先生、タイムカプセルを一緒に埋めた友達と、今でも友達ですか?」
「……そう、だね。私はそう思っているけど……」
……けど、この世界にもういないんだよ。
「いいなぁ。私もそんなふうになりたい」
東野さんが本当に羨ましそうな顔をした。
まるで映画館の帰りに見せた、清香ちゃんの顔みたい。
「守られない約束のために縛られたくないんだけど、守ってもらえるって信じられる約束は欲しいんですよねー」
私はその言葉にハッとした。
清香ちゃんは、きっと。
私が約束を果たすことを信じてくれているんじゃないかって。
ずっと信じていて、今でも待ってくれているのかもしれない。
17歳の、あの頃のまま。